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2005年06月20日

玉三郎特別舞踊公演<観劇記by由比ヶ浜>

玉三郎の舞踊公演の様子がとても気になるのですが、幸い我が友由比ヶ浜さんが、南座に行ってこられたので早速皆様にご紹介したいと思います。

「雨の五郎」
力強い五郎でした。決まるところはビシッと美しく決まりました。その、決めと決めの間の動き、少し下半身が不安定な感じがしました。獅童の個性的な容貌のせいか、ちょっと怖いかんじもしたのですが・・・。
廓へ通っていく途中という色めいた雰囲気はまだまだこれからだと思いました。着付けは黒でした。私は梅雨の季節に見るなら、白のほうが好きだなあ。
数年前の新之助の雨の五郎を思い出してしまいました。( 笑 )
「隅田川」
この演目、実はわたしちょっと苦手。 清元の隅田川には薄墨色のイメージを持っていましたが、長唄になるとそこに淡い色が少し加わるような・・・。違和感なく受け入れることはできました。玉三郎の斑女の前は抑制されたわずかな動きの中に、子を失った母の心の悲しみが伝わってくるようでした。指を、足を、顔をほんのわずか動かすだけで、身のうちの苦しみが伝わってくるのはさすがだと思いました。
「船弁慶」
いつもの松羽目物の舞台でなく、背景は黒一色。上から屋根が釣り下がっています。これだけで、作品全体がよりドラマティックに感じられました。 後シテの知盛は七三のスッポンからせり上がって登場。最後も、首の後ろに長刀を横に渡して回りながらではなく、同じくスッポンから消えていくという演出でした。振り付けは、いつもの知盛より派手な動きは少ないですが、予想していた以上に荒ぶる知盛を表現していて新鮮でした。 新調された衣装がキラキラで豪華でしたよ。知盛は銀地に金で竜や稲妻が織り込まれていたり、けっこう派手派手でした。

感想を読ませて頂くと、舞台が想像できますね。「雨の五郎」獅童くん健闘!「隅田川」は内面を表現することに重点がおかれていて、玉三郎の世界という感じでしょうか。「船弁慶」これはちょっと観たいですね。松羽目物のお決まりの背景を止めて、幕が開いた時に先ず「いつもと違う」印象を与える。後シテも興味ある演出ですね。ご報告感謝!

投稿者 佐千菊 : 2005年06月20日 23:28

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