2005年04月02日
籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)
勘三郎襲名4月興業、夜の部初日を観てきました。
この狂言は三世河竹新七作で明治21年、次郎左衛門を初代左団次、八つ橋を福助(後の五代目歌右衛門)で初演されました。以来明治の世話物の代表作として上演されています。
新勘三郎の次郎左衛門は<見染め>で魂を奪われるところ、<愛想づかし>でじっと辛抱しある決意を秘める演技、素晴らしかったです。そして玉三郎の八つ橋も本心ではないのに愛想づかしをしなくてはならない苦衷が肚にあっての演技で見応えありました。<愛想づかし>の場では花魁衆や連れの客が大勢で賑やかに宴を開いていて、又身請けの相談まで話が進んだ最高潮のところから一転、気まずい雰囲気に変わるあたりの息を呑む転回が見事でした。
<愛想づかし>の場の下座で使われた長唄は廓の場にいつもつきものの『吉原雀』『二人椀久』そして八つ橋が部屋を出たところでは『松の緑』なおォォォ、ォォォーーが唄われ、実にうまくのっていました。
投稿者 佐千菊 : 2005年04月02日 22:45
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://sachigiku.com/mt-tb.cgi/37