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2005年07月20日

上村以和於の俳優偶論(その4中村時蔵)

演劇評論家 上村以和於オフィシャルサイト

 『十二夜』の話をもう少し続けたい。菊之助がヴァイオラ=シザーリオとセヴァスチャンをひとりで兼ねたのが、シェイクスピアの設定した趣向を歌舞伎の手法ではじめて実現して見せた好例とすれば、オリヴィアを赤姫として造形して時蔵に配したのは、シェイクスピアを歌舞伎の意匠で装って歌舞伎ならではの効果を挙げた好例といえる。(中略)時蔵の演じる赤姫姿のオリヴィアに、他には求めがたい気品とユーモアを感じ取ったに違いない。

「十二夜」の織笛姫を演じている時蔵について書いています。歌舞伎の赤姫をオリヴィアに置いて、その赤姫が最も似合う時蔵が演じたことが今回の「十二夜」を面白くしているのでしょう。

投稿者 佐千菊 : 2005年07月20日 16:18

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