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2005年10月24日
上村以和於の劇評 前進座の「髪結新三」
演劇評論家 上村以和於オフィシャルサイトいうまでもなく、新三はじつは「上総無宿」である。つまり田舎から上京(ではないが)してきたおにいちゃんである。しかし回りの髪結いという表の顔とばくち打ちという裏の顔とふたつを持ち、それぞれの顔がそれぞれの世界できくようになるところまでになっている。現代の東京で、新宿やなにかでそれなりに顔のきくお兄ちゃんたちが、つい何年か前までは地方の少年であったのと、そのままつながっているような、言い換えれば新三という男の戸籍調べが舞台にあらわれているような、そういう新三を梅雀は演じている。そこがじつにおもしろいし、前進座の歌舞伎が現代の歌舞伎界にもつユニークな存在意義をみとめさせる意味をもってい%u3
前進座の歌舞伎という色を明確に感じる舞台のようです。菊五郎、勘三郎が演じる新三とは違う人物像で梅雀が演じる。それは現在、東京で生活している地方出身の若者とつながる、と言っています。視点を変えると又面白い芝居ができる、という良い例だと思います。
投稿者 佐千菊 : 2005年10月24日 15:01
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コメント
あああっ しまったっ! すっからかんに忘れてた!前進座の「髪結新三」!_| ̄|○
どっちにしても、公演日は予定があって行けなかったけど、「忘れてた」ということがちょっとショックかも・・・(ーー;)
上村さんの評を読む限りでは、比較好きの私はやはり行っとくべき舞台だったようですね。
ぜひ、再演を~っ!!
投稿者 HineMosNotari : 2005年10月25日 10:13
私も行こうと思っていたのに・・・あんまり宣伝しないので忘れてしまいますね。
投稿者 さちぎく : 2005年10月25日 11:57
10/16にお茶屋娘さんと吉祥寺の前進座劇場に行って観てまいりました。前進座の歌舞伎を観るのは初めてだったのですが、すごく納得のいく舞台でした(うっ、感想アップが滞ってます)。勘三郎の襲名披露公演よりよかったというのが正直なところです。
梅雀さんももちろんのこと、嵐圭二さんの源七や家主の梅之助がいいから、やりとりが軽妙でよかったんですよ。来年の国立劇場での梅之助の魚屋宗五郎も行くことにしました。
世話物はいいですね、前進座!
投稿者 ぴかちゅう : 2005年10月26日 00:43
ぴかちゅうさん、前進座いらしたんですね。家から近いのに行きそびれてしまいました。
全く違う切口で、ああ、こういう解釈もあるんだ、と納得いくんですね。
今年「佐倉義民伝」と「権三と助十」を観ましたが、内容も役者の技量も文句ないんですが、舞台に「華」がない、という印象でした。
演劇という観点で観るなら前進座の演じる世話物も面白いと思います。感想アップしたら読ませて頂きます。
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