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2005年10月12日

中村雀右衛門休演

雀右衛門さんが休演 腰痛のため

 歌舞伎座は11日、10月公演に出演していた人間国宝の中村雀右衛門さん(85)が腰痛のため同日以降休演すると発表した。代役は中村翫雀さん(46)。
 雀右衛門さんは「河庄」で小春役を務めていた。体調が良くなり次第復帰する予定。(共同通信)

(京都新聞 電子版)


<雀右衛門の東京初役の小春は、その若さ、艶やかさ、いうまでもなく、くどきの「馴染みもよしみも」で右手を懐手にした肩から袖口への姿の線の美しさがまず印象的。つづいてのくどきは煙管と灰神楽と懐紙で持ち切って、最後に孫右衛門にしなだれかかる艶っぽさはさすがである。しかしただ艶っぽいはかりではない。口先とは裏腹に治兵衛を助けたいという二重のハラがよくわかる。
つづいてお庄につれられて上手一ト間へ入るところは、歌右衛門だと向こうを見て(おさんへの思いである)自分一人死ぬ気の女だったが、雀右衛門だと向こうを見ても、格子先の治兵衛一人が気になる女、義理より死より恋の女。ここらが雀右衛門の歌右衛門とは違うよさである。
歌右衛門といえば、幕切れは泣いているだけの女だったが、雀右衛門だと胸ぐらをとられてもジッとうつむいているつらさ、「声を上げ嘆く小春も」で泣いて、紅の帯揚げを両手に持って大きくきまって泣く具合、まさに牡丹の崩れるような立派さ。>
渡辺保さんの評を読むと、あでやかで、艶っぽい、義理より恋の女、雀右衛門の小春は素晴らしいですね。体調が戻り次第復帰とのこと。待ち遠しいです。

投稿者 佐千菊 : 2005年10月12日 22:32

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