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2005年10月19日

杵屋榮十郎さんの楽屋日記より

二つ目は芝居の大詰「高雄山神護寺石段の場」の幕切れに「送り三重」で登場。「送り三重」の代表的なところというと「熊谷陣屋」の幕外で、これは皆さんご覧になった事があると思います。花道の附際に三味線が一人出て合引に足をかけて役者さんの動きを見ながらゆっくりした合方を弾きますが、今回は本花道を天王寺屋さんが、上手の花道を梅玉さんが引っ込むときに、上下一人ずつ出てこの「送り三重」を弾きまして、私は上手に出ます。一人で弾くのが基本の曲なので最初はどうなるかと思ったのですが、今日二日目でやっと何となく感じがつかめたような気がしました。これを二人で弾くというのは前代未聞でまず例がありません。客席から見るとどんな感じなのか、ご覧になった方のご感想を伺ってみたいです。(楽屋日記・2005年6,9月)

国立劇場の「貞操花鳥羽恋塚」ではめずらしい趣向が目につきますが、その一つに大詰の幕切れに両花道を富十郎、梅玉が、「送り三重」にのって引っ込むところです。私は初めて観たと思いましたが、それもそのはず、二人で弾くというのは前代未聞のことだそうです。1階席ですと首を右、左と忙しく動かさないと観られません。今月は3階席がよろしいかも知れません。
杵屋榮十郎さんは作曲も担当なさって、そして、いつもと違う高い場所からの演奏も経験され、なかなか実りの多い今月のようです。

投稿者 佐千菊 : 2005年10月19日 22:12

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