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2005年03月11日
八重垣姫のセリフに空目!
国立劇場『本朝二十四孝』を観てきました。いつもの「十種香」「奥庭」の前に「勝頼切腹」「道行似合の女夫丸」が上演され、八重垣姫、濡衣、勝頼のたどる運命がよく分かります。「奥庭狐火の場」で八重垣姫が兜をもって庭の泉水に映った我が姿をみた時に、狐の姿が顕れ、「今のは空目であったか」といいます。これこそ諏訪明神の使いである白狐が兜に取り付いて守護するという験と知り飛ぶように駆けていきます。今日では空耳という言葉は使いますが空目はあまり聞きません。辞書には「見えないのに見たように思うこと」とあります。歌舞伎とか長唄の歌詞等に今では死語になってしまった言葉が多くあります。そんな言葉に注目するのも面白いことです。何度も観ている演目でも新しい発見があるとうれしいものですね。
投稿者 佐千菊 : 2005年03月11日 00:53
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