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2005年09月15日

第十八回歌舞伎フォーラム 第三部

3、第3部「松王下屋敷」
「松王下屋敷」は『菅原伝授手習鑑』から派生した増補物で『寺子屋』の場の前夜を取り上げたものです。観ていますと『寺子屋』が透けて見えてきます。親子三人の家庭ドラマのようにも感じました。御台所も子供を犠牲にするほかに手だてはないかと悩んだりして、人間として扱われているように思います。

配役は第一部で解説を受け持った又之助さんの松王丸。皆さんご指摘のように声がよくセリフがはっきり聞こえて良かったです。
女房千代は京妙さん、娘役のお七とガラッと変わって、声も格も武家の女房になっていて流石です。下手の障子を開けて様子を伺うところ、色気といい、品格といい、姿も良し、ぞくっとしました。すぐに障子はしまってしまう、ほんの一瞬に千代という役を表現できるのは、腹があるからでしょう。
御台所はずっと出ずっぱりの梅之さん。三役三様で大活躍です。背が高いので大道具とのバランスがしっくりこないのですが、ただ座っているだけの御台様ではなく、ちゃんと感情を持った人間になっていました。白塗りで打掛け姿のほうが下女お杉より似合っていたように思いました。

この日はビデオカメラが入っていましたので、近い内歌舞伎チャンネルで放映されると思います。

最後に、今回小太郎役の子役を募集したところ100人以上の応募があり、その中から選ばれた6人が日替わりで出演しています。みんなセリフもはっきり大きい声で言えて、三味線の糸にのって動くのも上手で客席から拍手がわきました。子役を育てるのは容易なことではありません。御協力下さっている方々に感謝致します。

投稿者 佐千菊 : 2005年09月15日 21:39

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