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2005年08月31日

長唄「秋の色種」

あきのいろくさ”と読みます。この曲は弘化2年(1845年)十世杵屋六左衛門の作曲です。作詞は南部佐竹侯といわれていましたが現在ではこの説は違うようです。このことは稀音家義丸氏が詳しく書いて居られるので興味ある方はご覧になって下さい。

http://www.kine-ie.com/kikigaki/kikigati4.htm

題名のとおり秋の風物が情緒豊かに表現されていて、純演奏長唄の代表曲です。毎年夏が終わろうとしている頃に聴きますと、日本人に生まれてきて良かったとしみじみ感じます。美の感性が歌詞にも三味線にも感じられて素晴らしい曲です。
NHKのFMで9月3日(土)11:00~11:50 放送されます。

http://www3.nhk.or.jp/hensei/fm/20050903/frame_05-12.html

演奏は長唄東音会の方々です。東音会会長味見亨さんのタテ三味線に、上調子に定評ある村尾慎三さんとの「虫の合方」は本手と上調子が複雑に絡み合い、秋の虫の鳴きざわめく様を見事に表現してくれることでしょう。どうぞ皆様ご観賞下さいませ。

二蓋笠柳生実記 (平成15年12月国立劇場)
この通し狂言序幕第2場 柳生但馬守邸内お玉部屋の場で下座に 長唄「秋の色種」が使われていました。この曲は歌舞伎から離れて素の演奏として作曲されたものですので、本来は下座に使われていませんでした。時蔵の柳生但馬守愛妾お玉のところに菊五郎扮する柳生又十郎が忍んで くる濡れ場に「秋の色種」の曲がしっとりと唄われていました。とても良い感じでした。時蔵の衣裳とも合っていて堪能しました。

投稿者 佐千菊 : 2005年08月31日 23:02

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