2005年06月10日
「助六由縁江戸桜」すけろくゆかりのえどざくら
歌舞伎十八番の内、「助六由縁江戸桜」ですから海老蔵にとってはお家芸です。江戸荒事の醍醐味を立派に継承していくべき素質が立証されました。花道の出端は大きく、力強く、そして黒と赤がよく似合う男ぶりです。「助六さん、ヤンヤ、ヤンヤ!」折角の出端、あの河東節ではカワイソウ、九州と東京の方々の合同だという事で練習不足なのでしょうか?海老蔵はセリフはもう少し、地でいう所と唄う所との兼ね合いがうまくいかない時があります。菊之助の揚巻もとにかく綺麗でうっとり。花道では花魁の風格もあり、名セリフもきっぱりと上手い。揚巻の二度目の出、菊之助は白に梅の柄の打ち掛けを着て満江と出てきます。ここでは硬さが消え、母を思う優しさが感じられて、可愛い女になっていました。満江の田之助は存在感があります。この母には十郎、五郎もたじたじです。菊五郎の白酒売り新兵衛、和事の味、滑稽味が嫌みなく滲みでて、助六との好対照が際だちます。
股くぐりの時の着物の上げ具合など、思わず笑ってしまいます。左團次の意休は安心して見ていられます。すっかり手に入った役です。
去年の歌舞伎座襲名の時に感じた衝撃を今回も感じました。、つまり海老蔵は助六を演じているのではなく、助六そのまま、彼ならキセルの雨がふるであろうし、喧嘩っぷりも威勢よく小気味良いことでしょう。「揚巻のふとんの上で一杯飲もうか。」なんていうセリフが自然に聞けるのです。尚いっそう助六=(イコール)海老蔵という印象を強く感じました。
投稿者 佐千菊 : 2005年06月10日 02:42
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